「そっかー、残念。うわさ聞いて俺ちょっと郁田さんに仲間意識持ってたんだけどな〜分かり合えるかもって」
「仲間意識って……夏目くんなんかと一緒にしないでよ」
そう言って、衝動的に彼を睨んでしまう。
残念って何よ。分かり合えるってなによ。
人のこと軽い女みたいに言っちゃって。
「『なんか』って。そんな言い方しなくてもいいでしょ。体質なんだからしょうがないし。俺、郁田さんと仲良くなれるかもって思ってたんだよ?」
「……はは。申し訳ないですが、残念ながら仲良くなれそうにありません」
人のこと勝手に二股した女だと決めつけて、自分の欲望のまま恥ずかしいことも平気でしようとする人と仲良く、なんて冗談じゃないよ。
「そんなトゲのある言い方されたの初めて」
「そう、ですか」
散々言いたい放題言っておいてなんだそれ。
今すぐここを出たい。
今までは、夏目くんのこと目の保養ぐらいに見れていたのに。
もうだいぶイメージが崩れて、ちょっと嫌いになりかけつつある。
他の男の子たちに、男にだらしない女だって思われてるかもしれないっていう事実もショックで。
「……さようなら」
私ははっきりそう言って、保健室を出た。



