てっきり、無理やりひどいことされちゃうんじゃないかって、覚悟していたから、

夏目くんが手を解いてくれた瞬間、強張っていた全身の力が抜けた。

夏目くんの様子が少し変だ。

さっきまであんなに強気だったのに。

「あの……」

身体を私から離した夏目くんに、かける言葉なんて思いつかないまま、声をかければ、

それと同時に、夏目くんは急に上のシャツを脱ぎ出した。

「え、ちょ、夏目くん?!」

行動全部が理解不能だよ!!

なんでこのタイミングで脱ぐの?!

やっぱりそれが目当てなわけ?!

彼の腹筋が視界に入ってきて、慌てて晒す。

細いのに、それなりにしっかり筋肉がついていて。

体育の授業は出ないって話だったからもっとひょろひょろなんだと思ってたよ。

って、そんなことどうでも良くて。

「あの、私、帰───」

そう言ってベッドから降りようとした時だった。

「……っ!!」

ふと横目に見えた彼の背中から、目が離せなかった。