そんなわかりやすい反応されちゃうと、ますます火がついてしまう。

「郁田さん、こっち見て」

「やだ」

そう言って止まない雨をまっすぐ見つめる郁田さん。

「なんで見てくれないの?」

「今の夏目くん、変なことする時の目だから」

「へー俺のことよくわかってるんだね。嬉しい」

「バカじゃないの。どういうタイプのポジティブシンキングそれ」

「でも俺だけじゃないよ」

俺にはいくらでも警戒するのに、泉には緩々なんだもんね。

「……は?」

「長山だって泉だって、男はみんな一緒。常に、あぁ女の子とエロいことしたいなーって頭の中そればっかでいっぱい──」

「ち、違うよっ!」

「……っ、」

俺と目を合わせないつもりじゃなかったの。

やっと視線が交わったのが、泉の名前を出した瞬間なんて。

あいつは郁田さんにとって特別で守りたいものなんだと言われてるみたいでムカつく。

「長山くんも泉くんも、夏目くんとは違う!あのふたりは、ちゃんとしっかりとした気持ちを持ってると思う。だから泉くんだって、モテるけど、中途半端な気持ちで女の子と付き合ったりしないんだよ。夏目くんとは全然違っ……!!」