「はいはい、今度はどんな理想の王子様を思い付いたの?」

訂正。分かってもらえてなどいなかった。

「違うよ!?現実!!妄想じゃなくて...!!」

私の悲痛な訴えにも、彼女はさらに引くだけで。

「え...やめてよ?妄想しすぎて現実とそれの区別つかなくなったとか。シャレになんないから」

ひ...酷くないですか...?

香帆の中で私は現実では恋できない人間になってるの...?

あまりのショックに言葉を失う。