『おはよう!
花音はもう学校かな?

俺はこれから出勤だよ』

学校についた私の携帯が振るえた

廉人さんは
毎日律儀にメールをくれた

朝と昼と夕方
そして寝るときに

会っている時はメールはしないけど

離れているときは
必ず私にメールをしてくれた

「おっはよ!」

果恋ちゃんが
私の肩をたたいた

とても良い笑顔でった

目がきらきら輝いているのは
久我っちと上手くいっている証拠だろう

「どうしたの?」

「花音にご報告!」

果恋ちゃんは敬礼のまねごとをした

「久我っちと話をしてね
私、高校を卒業してから
婚姻届を出すって決めたよ」

果恋ちゃんの笑顔が幸せいっぱいに見えた

「これも花音のおかげだよ!
ありがとう」

果恋ちゃんが抱きついた

「ううん
きちんと話しあったから
良い結果になったんだよ」

「お兄ちゃんに
花音がとられるのが嫌だな~」

「え?」

「うっそ!
花音はいつ結婚?」

「はい?」

なんでそんなに話が飛ぶのよ

「だって
兄貴はその気だよ
じゃなきゃ、家にあげないもん」

はい?
だって家にあがったのは
私たちが勝手に上がり込んだだけだし

「確かに
勝手に兄貴に押し付けた私がいけんないんだけど

でもその後
兄貴が花音に一緒に住むように言ったのは
私の意思ではなく
兄貴の意思だよ

兄貴はどんな女と付き合おうとも
家には絶対連れ込まなかったから

こりゃ結婚が近いって私は思ったよ」