「あら
廉人じゃない」

車が停めてある駐車場に
向かう歩道で

麗華さんが声をかけてきた

ドレスの入っている
大きな袋をかけている
廉人さんは

前から歩み寄ってくる
麗華さんに笑顔を見せた

「これはこれは
伊集院 麗華さん
お久しぶりです

最近は
お店に来てくれないから
寂しく思っていたんですよ」

私は廉人さんの陰に隠れた

できれば
麗華さんと話をしたくない

きっとパーティに
連れてくる相手は
廉人さんだと
聞かれるから

そうすれば
きっと

誰も見つけられなくて
果恋ちゃんのお兄さんに
お願いしたと

学校で
言われてしまうだろう