みどりは孝明の再婚を知った時、何もかも失ったと思っていた。

でも、何もかも失ったのは孝明の方だった。

みどりには大翔と悠翔がいたのだから。
 


すべてを失った孝明が、前を向いて新しい生活を始めた時に、みどりは後ろを振り返って、茂樹を求めていた。

自分の罪を上塗りしてしまった。

もう、茂樹に近付きたくない。

二度と茂樹に会う可能性のない場所で生活しよう。