『ヒロ、ありがとう』

とみどりは心の中で何度も言った。

涙を堪えて。

一緒に笑いながら。
 

「ヒロもハルも一緒に受験だから、2台付けないと不公平だね。」

と笑って言う祖母に、
 
「お母さんまで。余計なこと言わないで。二人の入学金稼ぐの、必死なんだから。」

みどりも一生懸命明るく答える。
 
「いいよ。また哲ちゃんちに行っちゃうから。」

と大翔が言うと、
 
「もう涼しくなるから大丈夫だよ。」

と祖母は笑った。