「ヒロ、ごめんね。」

車に乗ってエンジンをかけるとみどりは大翔に言う。
 
「何のごめんだよ。男と会っていたこと?俺に嘘をついていたこと?それとも俺を産んだこと?」

大翔の口調は強くなる。

みどりは黙って俯いた。
 

「お母さん、いつも謝っているよね。ごめんって言えば、何でも許されると思っているの?口では謝っていても、全然直してないよね、自分の行動。」

責める大翔からみどりは目を逸らす。

大翔の言う通りだから。

大翔に言い返すことができなかった。