「早く。ご飯、冷めちゃうよ。」

と、ひとみに促されて孝明と大翔はダイニングに移動する。

ちらし寿司、鶏のから揚げ、ピザ、フライドポテト、卵サラダ。

テーブルいっぱいに並んだ料理。
 
「わあ。すごいご馳走だね。」

女の子の家庭らしく華やかに盛り付けた料理に大翔が感嘆の声を上げると、
 
「私とめぐも手伝ったの。」

とひとみは大翔に言う。
 
「そうか。ありがとう。」

大翔が素直にお礼をいうと、ひとみは照れた笑顔になった。
 
「大翔君、たくさん食べてね。」

麻美も穏やかに言う。

賑やかで温かな食事の時間は、大翔の心を癒していく。