「名前は、蛇雁(じゃがん)。蛇に雁って書いてじゃがんね。」

『うわ、ダサ……厨二病……辛ぁ』

なんだそれ。ダサすぎだろ。センスをどこに置いてきたの?


「何言ってるの里香ちゃん、正気?とてもかっこいいじゃない!!!!!もう聞いて痺れちゃったわ!!!

Kも、もう少しかっこいい名前にしたかったのに!!アキに止められちゃった!!!悔しい!!!」


そうだ……この人厨二病だもんなぁ。しかもセンスのない厨二病……最悪じゃないか。


『正気?って私に聞いた言葉、そっくりそのまま返させていただきますね。

どこからどう見てもダサいじゃないですか!!なんなんですかあの漢字!おかしいでしょ!!』


「あなたにはあのかっこよさ、精錬された美というのが分からないの?可哀想に…。」


『知りたくないですね、、、あれが精錬された美と言うのなら私はそんなもの知りたいとも思わないです。人としての何かを失いそうで、、、。』


「何よ里香ちゃん、私のこと人として終わってるって言いたいの?」


『そ、そうじゃないです!そんなわけないじゃないですか!』


希望さんはため息をひとつ着いた。


「まぁいいわ。とりあえずここから先はお姫様から片時も離れないこと。特に外とかね。周りをよく確認して動いた方がいいと思うわ。」


『はい、ありがとうございます。』


「ええ。それじゃ頑張ってねん!」


希望さん大きく手を振ってくれた。それに小さく振り返して、背を向ける。ネオンの輝く道を通る。


『めんどくさいなぁ。』


体育祭なんて、来なければいいのに。少し楽しみだったのに、今ではそんな感情はわかなくなってきたことに少し落胆した。