『あの、十勝が?』


「ああ。冷たい感じだったな。今のデレデレな反応とは違ってな。だけどそれがある日を境にガラリと変わってな。

いきなりあれだ。俺はとてもびっくりした。だんだん好きになっていくんじゃなくていきなり落ちたみたいな。」


『まるで恋みたいだね。』


「案外ロマンチックなこと言うんだな。俺はてっきり薬かなにかかがされて頭がいかれて好みの傾向とか変わっちまったのかと思ったよ、当初はな。」


『最初の方はそこまで変人じゃなかったの?』



きになる。今の十勝のアホさってイヌオくんが関わっている事だし。それがなかった時は真っ当なって言ったら失礼だけど普通の人間だったのだろうか。


「いや、そうでもねぇな。前から頭おかしい奴だったぜ?

俺の知り合いが、十勝が道路に寝そべって胡瓜を丸齧りした夢を見たんだって言ってたんだが、」


『うん。』


「何も違和感がなかったって言ってた。現に俺も、全く違和感を感じない。現実世界でもしてそう。」


『嫌なんでだよ!?そこは違和感を感じろ!?仕事しろ!?車に轢かれるでしょ!!!お前は自分のところの総長をなんだと思っているんだ!!!』


「十勝龍喜っていう珍獣?」


凄いなぁ、この副総長。