話を催促すれば、なんの話しだと言うように動きが止まる。
『何か面白いこと教えてくれるって言ったじゃない、博愛主義者の輝くん?』
パチパチ、と瞬きをした後にニタァと笑った顔はまさに凶悪犯。人1人殺してます?みたいな顔をしている。
「興味あんのかよ、冷たい態度を取ってくれた里香チャンよぉ…。っていいつつもまぁ、そこまで引っ張るネタじゃないぜ?」
『なんなんだよ。』
少しガッカリ。
『1回先生に怒られて坊主にしたことがあるとか?』
「それ面白いか?」
『坊主が似合う人は美形らしいよ。』
「へー、龍喜に剃ってもらうか?…ダメだ。想像したら笑っちまう。」
『似合いそうだけどね。』
「似合うから余計に笑いが込み上げてくるんだわこれが。あったかなー、そんな写真……ねぇかなぁ。」
『つまらないの。』
ククッと笑った相澤が
「面白いものなんてあると思った?」
とこちらを覗いたあと、ふと、表情を変えた。
「そういえばよ、」
『何?』
「龍喜な、昔はイヌオくんとかいう漫画好きじゃなかったんだよ。」
『え?』
「今じゃあんだけどハマりしてるんだけどな、最初の頃はすぐ連載終わりそうだな、これ。って1話目を読んで以降、読まなくなったって聞いたんだけどよ。」