さきほどバトンパスがあったにもかかわらず現在は2位である。結構差が着いていた3位と2位の間を相澤が埋め、1位と2位の間を十勝が埋めるために全力で走っている。


『お、キタキタ、頑張れー!』
「龍喜さーん!!」
「龍くん!!行け!!!抜かせ!!!」

目の前を通り過ぎたのは一瞬だった。行ったけれど、巻いてあるハチマキが、髪の毛が、柔らかく風になびいてる様はとても綺麗に見えた。

私たちの声が大きかったのか、通り過ぎる瞬間こちらを見てふ、と微笑んでいった。どこまでも余裕だな。

後ろで女子たちが悲鳴を上げている。耐性が無かったばっかりにもろに攻撃を食らってしまったのだう。顔のいい男は微笑むだけでも大分の威力を発揮する。

『これがいつも変な行動してる十勝と同一人物?』

「スイッチのオンオフが激しいだけなの!私も常々そう思ってるけど!」

「むしろ活躍しているところを見て、あ、この方は総長だったとか思うまでありますよね。」

『帯刀、さすがにそれはなめすぎじゃないか?』

「やめてください!ギャップがあるところも尊敬していると言っているんです!」

「物はいいよう〜」


結果は白熱した。1位を走っていたチームがとても早かった。しかしそれを上回るくらいには十勝の追い上げは怒涛であった。