「わりーな、黒羽根。俺あんまりこういうの食べなくて、でも、こいつが喜びそうだったから」

「そっか。君、名前は?」

「柚月……です」

「ゆづきさん、ね。僕は黒羽根」


し、知っていますとも。


「口にあえばいいんだけど。食べたら感想聞かせてね」

「や、あの、勿体なくて食べ……」


って、わたし。

隣にタスクがいるんだ。


心のうちを打ち明けてどうする。

それも、王子相手に。


「勿体ないって?」


きょとん、としている王子。


「な、なんでもないです! ありがとうございます……」

「気に入ってくれた?」

「は、はい。とても」


タスクから、もらえたから。


「凄く神秘的で、綺麗ですね。どこで買ったんですか?」

「まだ他のもあるから、あげるよ」

「へっ……?」

「近くには売っていなくてね」


こういう時……どう答えるべき?


タスクを救いの目で見ると、

「もらっとけもらっとけ」

と、言われた。


「そ、それじゃあ……。お言葉に、甘えて」

「おいで」