【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


手の甲で血を拭うと


タスクの頬から


――傷が、消えた。


それに驚いている暇なんて、ない。


だって


押さえつけられたわけでもないのに


全身から、どんどん


…………力が抜けていくから。


「眠っている間に食われるのと。起きたまま食われるのと。どっちがいい」

「あなた。誰?」

「なに言ってる。タスクだ。お前の幼なじみの。お前が、大好きな」

「タスクは。こんなに心の冷たい人じゃ、ない」


赤い眼を、していない。

傷がすぐに治ったりしない。


「あなたは……。誰なの」

「そうだ。俺は三浦祐ではない」


わたしの背中に手を回してくる、タスク。


ううん。


タスクの姿をした、"何者"かが


「綺麗だよ。刹那」

「やめて」


わたしの肌を、撫でる。