ギュッと目を閉じ
ゆっくりとまぶたを開いたら
邪悪なオーラを放つ羽は、消えていた。
「どうかした?」
「なんでも、ない」
まだ体調、戻っていないのかな。
気分はすごくいいのに。
「…………夢」
「え?」
「夢の中でね。黒羽根くんが、わたしに。なにかお願いしてきたような気がする」
「お願い?」
「うん。まあ、覚えてないんだけど」
「あいつ普段から変わってるとこあるからな」
「そうなんだ? やっぱり王子だから、みんなと違うところ――」
「もう黒羽根の話はやめろ」
わたしを抱き締める腕に、力が加えられる。
「……怒った?」
「頼む。今は、俺のことだけ考えて」
「うん」
「俺でいっぱいになって」
「なってるよ」


