【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



ギュッと目を閉じ


ゆっくりとまぶたを開いたら


邪悪なオーラを放つ羽は、消えていた。


「どうかした?」

「なんでも、ない」


まだ体調、戻っていないのかな。


気分はすごくいいのに。


「…………夢」

「え?」

「夢の中でね。黒羽根くんが、わたしに。なにかお願いしてきたような気がする」

「お願い?」

「うん。まあ、覚えてないんだけど」

「あいつ普段から変わってるとこあるからな」

「そうなんだ? やっぱり王子だから、みんなと違うところ――」

「もう黒羽根の話はやめろ」


わたしを抱き締める腕に、力が加えられる。


「……怒った?」

「頼む。今は、俺のことだけ考えて」

「うん」

「俺でいっぱいになって」

「なってるよ」