「ちがう……!」
わたしが寝言で王子の名前を?
「なんかあった? あいつと」
「まさか。ナイナイ!」
身分が違いすぎるよ。
「でも。手、繋いでったよな」
そうだ。
王子がみんなの前で庶民の手を握ったから、とても目立ってしまったんだ。
女の子たちに振り返られて。
それで。
……あれ。
それから、なにがあったんだっけ?
「ムカついた」
へ?
「俺とは。最近、繋いでねーのに」
「……えぇ!?」
「最後に繋いだのいつだっけ」
「さあ。幼稚園の頃じゃない?」
集団下校的な。
「繋ごうよ」
「……へ?」
「いいだろ、刹那」


