【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



近いよ、黒羽根くん。


どうしてこんなことするの?


すぐ近くには、タスクもいるのに。


「俺にキスしろ」


(……キス?)


「屋上での口づけを――思い出せ」


微かな声で命令された瞬間


記憶が、よみがえる。


誰もいない屋上


2人きり


ピンク色のチョコレート


一欠片のそれを


…………2人で、食べた。


互いの舌の上でころがし


溶かしていった。


その立方体のチョコレートは


今、さっき


わたしのブラウスのポケットから出てきた


ベッドの上に置かれた


パープルの包み紙に、包まれたいた。


「思い出したようだな」


……あれは


わたしがみた夢は


…………現実、だったの?