逃げたところで、相手は男だ。 いいや、 得体の知れない〝何か〟だ。 どれだけ本気で抵抗しても、叶いっこない……。 それでも その〝何か〟から目をそらすことで、抵抗の意志を示し続けた。 (……タスク) 頭に、大好きな幼なじみの姿を思い浮かべる。 本当は、タスクがよかった。 ファーストキスの相手。 それが、こんな形で奪われてしまうなんて。 「俺を拒絶するというのか?」 受け入れろ、という方が無理だよ。