「おかしなセロ」 「なにがだ」 「消えない痕なら。とっくにつけられてる」 わたしの胸元のシルシを忘れたとは言わせないから。 「あれが刻まれたとき。焼けそうなくらい、熱かった。また同じ体験をしたいかと言われるとちょっと躊躇うものはあるけど。セロからなら、いいよ」 「それとこれとは――」 「ちがわない。どっちもわたしを想ってつくものでしょ」 「……貴様というやつは」