「だからボクもついて行くって言ったのに〜」
「貴様の助けなど借りずとも刹那に本当に危険が迫ればこの俺が1秒で飛んでいく」
い、1秒……!?
「本気を出したセロはすっごく速いもんねー」
たしかにセロの移動は肉眼で確認できないこともある。
「それにほら。刹那には。セロの紋章があるから、ピンチが迫れば――」
「黙れ」
…………?
「あれぇ? あれあれ?」
雛が、わたしごしに、セロを覗き込む。
「ひょっとして刹那に隠してるの?」
――――かくしてる?
「雛、それ……なんの話?」
「んー。余計なこと言うと口が裂けちゃうから、言わないでおくかな」
いやいや。
すっごく気になるよ。


