【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



「だからボクもついて行くって言ったのに〜」

「貴様の助けなど借りずとも刹那に本当に危険が迫ればこの俺が1秒で飛んでいく」


い、1秒……!?


「本気を出したセロはすっごく速いもんねー」


たしかにセロの移動は肉眼で確認できないこともある。


「それにほら。刹那には。セロの紋章があるから、ピンチが迫れば――」

「黙れ」


…………?


「あれぇ? あれあれ?」


雛が、わたしごしに、セロを覗き込む。


「ひょっとして刹那に隠してるの?」


――――かくしてる?


「雛、それ……なんの話?」

「んー。余計なこと言うと口が裂けちゃうから、言わないでおくかな」


いやいや。

すっごく気になるよ。