【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



「ヒトではないな」

「きっとボクら寄りの子だろうね」


2人の元に戻ると、さっき起きたことをセロと雛に話した。


あたりはどんどん暗くなってきていて、3人で、ベンチに腰掛ける。


きっとこの前の大通りをパレードが通るから、ここならゆっくり眺められるだろう。


「雛寄りの子って……やっぱり、人間じゃなかったの?」

「ちがうよ」

「目が赤かったから?」


あと、体温。


「ていうか。ニオイついてるしね」

「え?」

「その子に触られたでしょ」


そう言われ、あの子がもたれかかってきたことを思い出す。


「香りが物語っているからね。人間じゃないこと」

「……雛も鼻がきくんだね」

「貴様、つくづく狙われやすい体質だな」


狙われた、のかな。

あの子のお母さんは、食べちゃダメって注意していたようにも見えたけど。