「ヒトではないな」
「きっとボクら寄りの子だろうね」
2人の元に戻ると、さっき起きたことをセロと雛に話した。
あたりはどんどん暗くなってきていて、3人で、ベンチに腰掛ける。
きっとこの前の大通りをパレードが通るから、ここならゆっくり眺められるだろう。
「雛寄りの子って……やっぱり、人間じゃなかったの?」
「ちがうよ」
「目が赤かったから?」
あと、体温。
「ていうか。ニオイついてるしね」
「え?」
「その子に触られたでしょ」
そう言われ、あの子がもたれかかってきたことを思い出す。
「香りが物語っているからね。人間じゃないこと」
「……雛も鼻がきくんだね」
「貴様、つくづく狙われやすい体質だな」
狙われた、のかな。
あの子のお母さんは、食べちゃダメって注意していたようにも見えたけど。


