【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



「わたし、ちょっとトイレに行ってくるね」

「だったら、ボクも――」

「貴様はここにいろ」


ついて来ようとした雛をガシっと掴む、セロ。


2人から離れ、パークのはずれの建物に向かう途中、目にしたもの。


それは


「だ……大丈夫?」


うずくまる、少女だった。


小学生くらいだろうか。


髪をリボンのついたゴムで2つくくりにしていて、白のワンピースを着ている。


「どうしたの?」


こんな場所に1人で来るとは思えない年だ。

となると、保護者の誰かと一緒に来たはず。


「気分が悪いの、かな?」


顔をあげてくれない。

パークの人を呼んでくるべき?


案内所まで、遠い。


抱えていく?

ううん、そんな力ない……。