「わたし、ちょっとトイレに行ってくるね」
「だったら、ボクも――」
「貴様はここにいろ」
ついて来ようとした雛をガシっと掴む、セロ。
2人から離れ、パークのはずれの建物に向かう途中、目にしたもの。
それは
「だ……大丈夫?」
うずくまる、少女だった。
小学生くらいだろうか。
髪をリボンのついたゴムで2つくくりにしていて、白のワンピースを着ている。
「どうしたの?」
こんな場所に1人で来るとは思えない年だ。
となると、保護者の誰かと一緒に来たはず。
「気分が悪いの、かな?」
顔をあげてくれない。
パークの人を呼んでくるべき?
案内所まで、遠い。
抱えていく?
ううん、そんな力ない……。


