「うろちょろするな。捕まっていろ」
「へっ?」
セロが、肩をそっと抱き寄せてくれる。
「まだここは入り口付近だぞ。そんなんでどうする」
「ありが……とう」
遊園地に興味ないとか言って。
それでもちゃんと一緒にいてくれて。
こんな風に、頼もしくって。
わたし、どんどん、セロが好きになってくのがわかる……。
見た目の美しさだけじゃなく、内面にも、惹かれてる。
「血ぃ吸わせろぉおおお」
「出たぁぁぁああ!!」
髪の長い血まみれの吸血鬼が襲いかかってきて、セロにしがみつく。
「刹那、顔をあげろ」
「無理無理無理……」
「こいつは雛だ」
「……へ?」
「やっほー、刹那」
雛っ!?
「な、なにやってるの?」
「ほら、夜にパレードあるでしょ? ボクあれ見てみたくて来たんだ」


