【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「うろちょろするな。捕まっていろ」

「へっ?」


セロが、肩をそっと抱き寄せてくれる。


「まだここは入り口付近だぞ。そんなんでどうする」

「ありが……とう」


遊園地に興味ないとか言って。

それでもちゃんと一緒にいてくれて。

こんな風に、頼もしくって。


わたし、どんどん、セロが好きになってくのがわかる……。


見た目の美しさだけじゃなく、内面にも、惹かれてる。


「血ぃ吸わせろぉおおお」

「出たぁぁぁああ!!」


髪の長い血まみれの吸血鬼が襲いかかってきて、セロにしがみつく。


「刹那、顔をあげろ」

「無理無理無理……」

「こいつは雛だ」

「……へ?」

「やっほー、刹那」


雛っ!?


「な、なにやってるの?」

「ほら、夜にパレードあるでしょ? ボクあれ見てみたくて来たんだ」