「セロはどれに乗ったの?」
「どれも乗っていない」
「え!?」
「寝ていたからな」
まさかの睡眠タイムでしたか。
「せっかくの遠足なのに、勿体ない……」
どうりで、パーク内でセロを見かけなかったわけだ。
広いとはいえ、離れたところからでもセロのこと見つけられる自信があったのに。
「俺は刹那とまわれたらそれでいい。でなきゃこんな場所に来るものか」
さらっとときめく台詞使ったな!?
「どのアトラクションにも興味はない」
アウトドアはセロには向いていない、か。
そういえば太陽の日差し好きじゃないんだよね。
炎天下の遊園地なんて過酷でしかないか。
もうだいぶ日は沈んできた。
「貴様の恐怖する顔が見られたら。それでいい」
楽しむところ見てほしいな~!?
「……ちゃんと、満喫しようね?」
「アレはどうだ」
セロが、指をさしたのは――
「どう……って」
期間限定で稼働しているアトラクションの1つ、お化け屋敷だった。


