【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



「セロはどれに乗ったの?」

「どれも乗っていない」

「え!?」

「寝ていたからな」


まさかの睡眠タイムでしたか。


「せっかくの遠足なのに、勿体ない……」


どうりで、パーク内でセロを見かけなかったわけだ。


広いとはいえ、離れたところからでもセロのこと見つけられる自信があったのに。


「俺は刹那とまわれたらそれでいい。でなきゃこんな場所に来るものか」


さらっとときめく台詞使ったな!?


「どのアトラクションにも興味はない」


アウトドアはセロには向いていない、か。


そういえば太陽の日差し好きじゃないんだよね。

炎天下の遊園地なんて過酷でしかないか。


もうだいぶ日は沈んできた。


「貴様の恐怖する顔が見られたら。それでいい」


楽しむところ見てほしいな~!?


「……ちゃんと、満喫しようね?」

「アレはどうだ」


セロが、指をさしたのは――


「どう……って」


期間限定で稼働しているアトラクションの1つ、お化け屋敷だった。