【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



シッシ、とされて

渋々女子高生たちがセロから離れて行く。


ようやくセロに近づける、と

ホッとしたのも束の間


「あの、いいですか?」

「なんだ」

「ワタクシ、あっちで××っていう雑誌の撮影してる者なんですけど。モデルとか興味ないですか」


な、なんてことだ。


こんなところでスカウトされるなんて。


セロの魅力って、本当に、凄いんだなあ。


「俺が興味あるのは俺の女にだけだ」


――――っ!?


「は、話だけでも――」


名刺を渡してくるスカウトの人をふりきり、わたしのところまでやって来る、王子さま。


「なにをしている」


見つけて、くれたんだ。

離れたところから、セロのこと見ていたのに。



「体力が底を尽きたとは言わせないぞ」

「だ、大丈夫!」

「なら」


セロに差し出された手を、ギュっと、握りしめる。


「行くぞ」


……悪魔との、遊園地デートが始まった。