シッシ、とされて
渋々女子高生たちがセロから離れて行く。
ようやくセロに近づける、と
ホッとしたのも束の間
「あの、いいですか?」
「なんだ」
「ワタクシ、あっちで××っていう雑誌の撮影してる者なんですけど。モデルとか興味ないですか」
な、なんてことだ。
こんなところでスカウトされるなんて。
セロの魅力って、本当に、凄いんだなあ。
「俺が興味あるのは俺の女にだけだ」
――――っ!?
「は、話だけでも――」
名刺を渡してくるスカウトの人をふりきり、わたしのところまでやって来る、王子さま。
「なにをしている」
見つけて、くれたんだ。
離れたところから、セロのこと見ていたのに。
「体力が底を尽きたとは言わせないぞ」
「だ、大丈夫!」
「なら」
セロに差し出された手を、ギュっと、握りしめる。
「行くぞ」
……悪魔との、遊園地デートが始まった。


