【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



――――せっちゃん


"ぼく、引っ越すことになったんだ"



あの子とは

幼なじみと呼ぶ程の付き合いはなかった。


近所に住んでいたタスクの友達

それが、ユキちゃん。


ときどき3人で遊ぶことがあった。

タスクがいなきゃ交流はなかったと思う。


刹那という名前を

"せっちゃん"と呼んできたのは、あとにも先にも、ユキちゃんただ1人。


それでピンときたのだけれど――


「ユキちゃんは、わたしの記憶にある限り……」

「オンナ?」

「っ、うん」

「やっぱりそう思ってたか。そんな気は、してた」

「小さくて、大人しくて、笑顔が可愛くて」

「悪かったな。デカくて。愛想なくなって」


信じられない……!!