【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「もっとも。刹那との口づけの方が。クセになるがな?」

「……っ」

「一晩中していたいくらいだ」


いきなり、なにを言い出すんだ。


「そんなことしたら眠れないよ」

「寝かせないと言っている」

「食べるだけ食べたら部屋に戻ってくクセに!」

「拗ねているのか?」

「ちがっ……」

「今夜は朝まで同じ布団で過ごすか?」


ドクン


「そんなの。お母さんに見つかったら……」

「見つからなければ問題ないと」


セロは、待っているのかな。


わたしを"まるごと"食べる日を。


頭のてっぺんから足の指先まで味わうのを。


そうすればスパイスがきいて味がよくなるんだよね。


そんな覚悟できそうに、ない。


キスだけでもドキドキして大変なんだ。


「セロ……は。キス以外の、こと。したい?」


隠し味的な、もの。


はやくわたしに加えたい?