わたし達は、毎日空を飛んで登校するわけじゃない。
こうして並んで歩いて行くことだって多くて。
相変わらずセロといればジロジロと視線を感じるが、それにはもう慣れた。
その整った顔を見上げて再確認する。
……ありえないくらい美形なんですけど。
それに比べてわたしって。
月とスッポン?
猫に小判?
なんて考えていると
セロがポケットから取り出したなにかを、ぱくっと食べた。
「なに食べたの?」
「飴だ」
「セロって甘党だよね」
「喰うか」
「……虫歯になるよ」
「砂糖など入っていない」
「ほんと?」
「むしろ予防になる」
便利……!
前々から気になっていたものの1つ
特別な、お菓子。
なにか不思議なパワーを感じるもの。
「口移しで欲しいか」
こんな道端でなに考えてるの。
って、家の中でもねだらないからね!?


