【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



わたし達は、毎日空を飛んで登校するわけじゃない。


こうして並んで歩いて行くことだって多くて。


相変わらずセロといればジロジロと視線を感じるが、それにはもう慣れた。


その整った顔を見上げて再確認する。


……ありえないくらい美形なんですけど。


それに比べてわたしって。


月とスッポン?

猫に小判?


なんて考えていると

セロがポケットから取り出したなにかを、ぱくっと食べた。


「なに食べたの?」

「飴だ」

「セロって甘党だよね」

「喰うか」

「……虫歯になるよ」

「砂糖など入っていない」

「ほんと?」

「むしろ予防になる」


便利……!


前々から気になっていたものの1つ

特別な、お菓子。


なにか不思議なパワーを感じるもの。


「口移しで欲しいか」


こんな道端でなに考えてるの。


って、家の中でもねだらないからね!?