愛を知らないセロが
エサにしたいだけじゃないと言ってくれて
私が
セロのこと好きになっちゃって
「……さっきのキス。これまでで一番。熱かった」
とくべつ強引にされたわけじゃないのに、優しいのに、痺れて。
溶けてしまいそうで。
自分が自分じゃなくなっていくみたいな。
心を通わせた途端に、こうなったのだとしたら。
愛を育んでいったら、どうなっちゃうの?
「壊れそう……な」
「なら。いっそ、壊れてみるか」
――――え?
見つめてくるセロの瞳に
吸い込まれてしまいそうになった私を
「なんて顔をしている」
「へ?」
「マヌケ面」
「ひ、ひどい」
嘲笑ってくる悪魔にさえときめいてしまう
なんて
すごくすごく、マズいかもしれない。


