【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



愛を知らないセロが

エサにしたいだけじゃないと言ってくれて


私が

セロのこと好きになっちゃって


「……さっきのキス。これまでで一番。熱かった」


とくべつ強引にされたわけじゃないのに、優しいのに、痺れて。

溶けてしまいそうで。


自分が自分じゃなくなっていくみたいな。


心を通わせた途端に、こうなったのだとしたら。


愛を育んでいったら、どうなっちゃうの?


「壊れそう……な」

「なら。いっそ、壊れてみるか」


――――え?


見つめてくるセロの瞳に

吸い込まれてしまいそうになった私を


「なんて顔をしている」

「へ?」

「マヌケ面」

「ひ、ひどい」


嘲笑ってくる悪魔にさえときめいてしまう

なんて


すごくすごく、マズいかもしれない。