【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



助けてあげたい。

私のせいで苦しんでいるなら。


でも、そこに気持ちはない、なんて


…………言い訳だった。


「勝手に正解とか決めないでよ」


わたし、気づいていなかったよ。


「タスクとの恋をセロに応援されるのは。……いや」


欲しいのは、謝罪じゃない。


わたしのことを一人の女の子としてみてくれるのが、嬉しい。


「それは。どういう意味だ」

「聞かないで」


こっちは恥ずかしくてたまらないのに。


「わからないから聞いているのだ」


その通りだと思う。

気持ちは伝えなければ届かない。


「刹那の口から話してもらわない限りは。俺に都合のいい解釈をしてしまいそうだ」

「すればいいよ」

「俺を選ぶのか?」

「っ、選んでなきゃ……舌噛んでとっくに死んでると思わない?」