…………え? 「請(こ)え。俺が、欲しいと。そして、跪(ひざまず)いて忠誠を誓え」 さっきまでより、ずっと低いトーンで話す黒羽根くん。 変わったのは声色だけじゃない。 別人みたいな口調で。 「なに。言ってるの……?」 なにが起きているか、わからない。 前を向くのが怖い。 黒羽根くんの目を見られないでいると ――グイッ 顔を、前へ向けられてしまった。