「……な。刹那」


誰かが、わたしを呼んでいる。


「飲め」


のめ……? なにを?


――――ゴクン


「んっ……はあ」


目を覚まし、自分が息を荒くさせていることに気がつく。


ドクン ドクン


「あ……れ」


ここ、わたしの部屋だ。

もしかして。


またおかしな夢をみているの?


それともセロの作り出した幻?


「貴様は。つくづく、どんくさいな」


不機嫌なセロが、すぐ近くに座っていることに気がついた。


「え?」

「風呂でのぼせていた」


わたしが?

お風呂で?


「そういえば考え事をしていて……」


そこからの記憶がないぞ。