【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「ほんと、美味しそう……。いまにも喰らいつきたくなる」


くらい、つく?


そんなにお腹すいてるのかな。


それとも甘いモノは別格ってことだろうか。


って、はやく授業行きません!?


まだ今ならダッシュすればセーフかと。


王子が行かないなら

わたし、一人で戻りますよ。


「ねえ」
「……っ」


急に、顔が近づいてきて


「食べて……いい?」


そっと――耳元で囁かれる。


くすぐったい、です……!!


包み紙から出てきたのは、ピンク色のチョコレート。


「ど、どうぞ」

「本当に?」

「食べていいもなにも。黒羽根くんのもの、ですから」