「その気でついてきたみたいだけどな。少なくともあっちの女は」 雛が……? まさか。そんな。 「眠気も覚めちまったし。こっちも始めるか」 「……え?」 「男知らないんだろ、お前」 「っ、知らない……わけじゃ……」 キスしたことなら、あるし。 悪魔とだけど。 「嘘つけ」 「ウソじゃ……な……」 「はは。顔、真っ赤にしやがって」 そういって リクさんが――――笑った。 この人、金髪だし。 眉細いけど。 …………笑顔は怖くない。