―――あ 校舎から、チャイムが聞こえてくる。 「な、鳴っちゃいましたね……!」 慌てて立ち上がろうとした瞬間、 「行かないで」 ――王子に、抱き寄せられた。 おかげでわたしは王子の膝の上。 「あの。チャイム……。鳴りました、よ?」 あれ? 「鳴ったね」 あれれ? 「じゅ、授業……が。始まり、ます」 「そうだね」 もしや サボる気、満々ですか……!? 「やっと2人きりになれたのに。放すと思ってる?」 「え……」 「ずっと。この瞬間を待っていた」