【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



―――あ


校舎から、チャイムが聞こえてくる。


「な、鳴っちゃいましたね……!」


慌てて立ち上がろうとした瞬間、


「行かないで」


――王子に、抱き寄せられた。 


おかげでわたしは王子の膝の上。


「あの。チャイム……。鳴りました、よ?」


あれ?


「鳴ったね」


あれれ?


「じゅ、授業……が。始まり、ます」

「そうだね」


もしや

サボる気、満々ですか……!?


「やっと2人きりになれたのに。放すと思ってる?」

「え……」

「ずっと。この瞬間を待っていた」