「『力』を使い過ぎちゃダメ」

「俺にケチをつけるなら。尚更のこと文句を言わずに貴様がなんとかしろ」


セロの髪色が銀から茶色に変化していく。


そんなセロに少しも動揺しない先生が、わたしを見て目を見開く。


「ちょっと柚月さん、その髪……!」

「え……」

「めちゃくちゃじゃない! まさか、この、倒れてる子たちにやられたの?」

「あ、はい」


それだけ驚くってことは、今のわたしの髪型、さぞ不揃いというか。


それはもうすっごくダサい感じなんだろう。


「女の子が大切な髪をそんな風にされたら、ショックよね」


なんとかします。

ショートカット確定。


「ああ、もういいわ。セロ。柚月さんのこと、頼むわよ!」


へっ?


「ここは任せて、お行きなさい」

「言われなくても。さぁ来い、刹那」