セロが悪魔に変身した。


銀髪の少年の背中に、羽は生えていない。


力を完全に解き放ったわけではない……?


「どけ」


キツい口調でわたしを自分から離し


アコ先輩に近づき


鋭い爪のはえた大きな手で、先輩の顎をつかむと――



キスを、した。



ほんの数秒後には2人の唇は離れる。



今の……なに?


どうして。


なんでキスなんか。


「あとは、あいつに任せる」


あいつ……?


「まったく。こーんなイイ女を都合のいい女にしないでくれる?」