「悪趣味だよね。動画まで残すなんて。拡散させるつもりだった?」 「……なんで。ロック……かけて、あるのに」 彼には嘘も誤魔化しも通用しない。 ピキ、と ガラスが割れる音がした。 次の瞬間 アコ先輩の携帯がバラバラに崩れる。 「え……なに……今の」 「君もこうなりたい?」 「やだ……ねえ……黒羽根くん。そんなかお、しないで」 わたしに背を向けているセロは、どんな顔をしているのだろう。 彼女の消えそうな声から 絶望する言葉から 甘いマスクが外れているのは、明白だ。