【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

誰にも、言ったことがなかったのに。


隠してきたのに。


なんで、素直に話しちゃったんだろう。


もうバレてしまったと思ったから?


……ううん


違う。


なんだろう。


黒羽根くんの瞳を見つめていたら


誤魔化したり、ウソをついたり、できなくなった。


しちゃいけない気がした。


「柚月さんって。西中出身でしょ」

「どうして、それを……」

「前に三浦が、この学校に同じ中学の子は一人しかいないって言ってた。それって柚月さんのことでしょ」

「うん。そうだよ」

「君は、三浦を追いかけてここに進学したってわけだ?」


…………鋭い。


タスク本人が気づいていないことを、王子はあっさり気づいてしまった。