【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「口実が欲しくって。つい」


――コウジツ?


なんの口実だろう。

ああ、もしかして、女の子に囲まれて身動きがとれなくなって。


それで逃げてきたかった、とか?


「アメ、気に入ってくれていたみたいだったから。もっとあげるって言えば――素直に僕についてきてくれるかなって」


……んん?


王子がわたしを連れ出す理由が、思い当たらないのですが。


「実を言うと。僕、柚月さんのこと」


目と目が、合う。


「前から気になっていたんだ」


はい?


「気づかなかった? 僕の視線」