【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「……いいにおい」


ソファから起き上がってみる。


身体が、軽い。


「なんだか。頭が、スッキリしてる」

「4時間近く寝たからな。少しは回復したのだろう」


そんなに寝てたの!?


キッチンに行くと見覚えのない料理があった。


フライパンには、

大きな海老や貝の入った本格的なパエリアが。


となりの鍋の中をのぞくと


「……スープ?」


なにこれ。


めちゃくちゃ美味しそう……なんだけど。


「用意してやった」

「え!?」

「食え」

「……セロが? わたしのために?」


まさか、危ないものでも入ってるんじゃ。


「毒など仕込んでいない」

「へっ」

「貴様に餌を用意してやるのも。俺の役目だからな」