【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「うわぁ……綺麗! これ、本当にアメなの?」


鈍感すぎる、タスク。

片想いをこじらせている、わたし。


タスクは高校で、モテていた。


中学の頃も人気あったけどそれ以上に。


みんな王子だけ見ていてくれればいいのに。


王子、だけ――


「そっか。君、名前は?」


なんてことだ。


「柚月……です」


「ゆづきさん、ね。僕は黒羽根」


おそれおおくも

王子から話しかけられてしまった。


こんなこともあるんだな。


「おいで」


わたしの手をつかみ、駆け出す王子。


あれ、


「屋上……に。行くんですか?」

「どうして知ってるの」

「え?」

「僕が君を屋上に連れていこうとしてること。なんでわかったの」