【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「あー、王子」


そんな声が聞こえてくるたびに


すぐさまタスクを探す。


いないときもある。


王子がいつもタスクと行動を共にしているとは限らないから。


「……今日は。一緒じゃないみたい」


黒羽根くんから視線を外そうとして


――――目が、合った。


慌てて視線を逸らすと、


「ヤバ。うち、いま王子と目が合っちゃった」

「えー、ズルい」


そんな会話が聞こえてくる。


……わたしを見ていたわけじゃ、なかった。


そうだよね。


王子がわたしに興味持つ理由ない。