【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

――――ドン


タスクを追いかけようとして

誰かに、ぶつかってしまった。


「ご、ごめんなさ……い」


すごく、背が高い。


見上げなきゃ顔が確認できそうにないから。


だけど、


「ごめんね」

「……ハイ」


確認する前に、行ってしまった。


とても優しい声をした人だった。


急に飛び出したのは、わたしの方。


相手はゆっくり歩いていたのだから。


謝るのはわたしだけでいいのに。


「ちょっと……」

「今の人ヤバくない?」

「超絶イケメンだったよね!」

「えー、何組だろ」


彼の顔を確認する前に


背を向けて行ってしまった


彼のうしろ姿から――……


「王子さま、みたい」


なぜだか目が離せなかった。