【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「ないよ!?」

「あやしいなー」


言えないよ。


……タスクが好き、なんて。


「いつかの冷蔵庫の苺プリン食ったのはお前だった、とか」


苺プリン?


「瓶に入った。ひとつ300円する」

「……それ。食べたの、わたしだ」


すごく美味しそうだなーって。

タスクのお母さんがどうぞってくれたから。


「許さん」

「ゆるしてぇ……!」

「はは。あれはお前のだ」

「へ?」

「俺が甘いもの食わないの知ってるだろ」

「それも、そうだね」

「なのにうちの冷蔵庫にスイーツが定期的に補充されてる理由。なんでかわかるか」

「なんで?」

「誰かさんが喜ぶだろうから。俺が用意してる」

「タスクのお母さんのためでしょ?」


それをわけてくれている。


「それはなかなかに親孝行な息子だな」

「ちがうの?」

「さて。靴箱の場所、確認しに行くぞ」

「あ、待って……!」