【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



「そういうことだから」


セロが、タスクからわたしの鞄を奪う。


「じゃあね、三浦」


離れた方が、いい。


弱くてごめんなさい。


「黒羽根」

「なんだい」

「刹那のこと。ちゃんと送り届けるんだろうな」

「そのつもりだけど」

「頼んだぞ」


よかったんだ、これで。


タスクにセロがおかしなことを言わずに済んだし。


なにより


タスクの前で泣きそうなのを……


ごまかすことが、できた。


今にも泣きそうなのを抑えるのに必死だった。


「刹那」

「っ、」


腕を引かれ、ひと気のない通りにやってくる。


そこの長い階段をのぼれば、神社があるが。


…………なに?


「我慢するな」

「え?」

「泣け」