「そういうことだから」
セロが、タスクからわたしの鞄を奪う。
「じゃあね、三浦」
離れた方が、いい。
弱くてごめんなさい。
「黒羽根」
「なんだい」
「刹那のこと。ちゃんと送り届けるんだろうな」
「そのつもりだけど」
「頼んだぞ」
よかったんだ、これで。
タスクにセロがおかしなことを言わずに済んだし。
なにより
タスクの前で泣きそうなのを……
ごまかすことが、できた。
今にも泣きそうなのを抑えるのに必死だった。
「刹那」
「っ、」
腕を引かれ、ひと気のない通りにやってくる。
そこの長い階段をのぼれば、神社があるが。
…………なに?
「我慢するな」
「え?」
「泣け」


