【貴様が悪い】
わたしが、黒羽根くんの近くにいるせいで
香りをまいているから
【そんな味してる刹那のせいだ】
…………彼を、苦しめている?
【俺に"餓死しろ"とでも祈ったか?】
願ってないよ、そんなこと。
わたしが怒ってるのは、あなたがヒドいこと言ったりしたりしてきたせいでしょ。
……でも。
仕方、なかったの?
生きていくためにキスしたの?
そうしなきゃ死んじゃうから。
「柚月さんが責任を感じることはないのよ」
ポン、と両肩を軽く叩かれる。
「あの子なら、きっと平気。すっごくモテるでしょう?」
「そりゃあ。……モテていますけど」
「そう簡単にのたれ死んだりはしないわ。強情を張ってるだけよ。我慢ならなくなったら、ちゃんとした食事するから」
ちゃんとした食事って
女の子とキスすること――なんだよね。


