【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

――――かわいい?


「今ものすごーく、飢えているから。それで、あなたにヒドいことしちゃったのね」

「うえて、いる……?」

「そう。お腹ペコペコなの」


そういえば、どこか気だるげだった。


保健室でも屋上でも、眠そうだったというか。


そういう性格なのかなって思ってたけど。


「目の前にお腹を空かせたライオンがいるって思ってくれたら。イメージし易いかしら?」


目の前に、お腹ペコペコのライオンが、いる?


「で。柚月さんは、特上霜降り」
「ヤバい……!」
「でしょ? ふふ」


笑い事じゃないよ。


「まあ。他にも彼の判断を鈍らせた原因は。あなたにもあるみたいだけど?」

「……どういうことですか」

「どういうことでしょうね?」


わかんないよ。

黒羽根くんの気持ち、全然理解できない。